大学教員,大学教授には変わり者が多い?現役大学教員がその理由を考えてみた

大学教員,大学教授には変わり者が多い?現役大学教員がその理由を考えてみた

学生
学生

大学の先生って変な人が多いよね。なんでだろ?🤔

このように思っている学生も多いでしょうし,一般的にも大学教員は「変わり者」と言われることが多いですよね。
そこでこの記事では,

  • 大学教員=変わり者とされる理由
  • 大学教員は本当に変わり者が多いのか

について,現役大学教員として普段から大学教員と接している経験をもとに解説してみたいと思います。
あくまでも,私の個人的な感覚ですのでその点はご容赦ください。

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この記事を最後まで読んでもらえれば,大学教員=変わり者というイメージ先行で語られていたことについて,ちょっと見直すきっかけになると思います。
ちょっとした小ネタ,雑学の記事ですので,気楽に読んでみてください!

1.大学教員,大学教授には変人が多い?

  • 大学教員に変わり者だ
  • 大学教員には変人が多い
  • 大学教員は頭がおかしい(誹謗中傷の意味ではありません)

大学生に限らずですが,こういう話はどこかで聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
そして,多くの人は,「そんなことないよ」というよりも「ですよねー!」みたいな反応をするのではないかと思います。

実際に大学教員をやっている私から同僚を見ても,強くこれを否定しようとは思いません。
自分自身も「私はそんなことない!」なんて言うつもりもありません(笑)

さて,そうすると,少なくとも一般的なイメージとしては,大学教員は変わり者,変人と認識されていることは間違いなさそうです。
では,

  • なぜそのようなイメージを持たれているのか?
  • 本当に変わり者,変人が多いのか?

について考えてみましょう。
その前に確認しておかなければならないことは「変わり者」や「変人」の定義ですね。
goo辞書を見てみると,

「変わり者」=「性質や言動などが,一般の人と違っている人。」
「変人」=「言動や正確に普通の人とは変わったところのある人。変わり者。」

となっています。さらに,

「普通」=「特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。それがあたりまえであること。」
「一般」=「広く全体に共通して認められ,行き渡っていること。」

です。
要するに「変わり者」や「変人」というのは,曖昧な「普通」なり「一般」なりとの比較が前提であって,あくまでも漠然としたものになっています。
これは客観的な判断は難しいですね。

ちなみに,この「変わり者」や「変人」の定義を見ても,これらの言葉が決して「悪い意味」でだけ使われる言葉ではないことが分かります。
大学教員の場合は,面白エピソード的なものもありますが,学生から聞こえてくる話などでは不平不満も多いようにも思います。
この記事では,意味の善悪は特に区別していません。

これはあくまで個人的な意見ですが,大学教員の立場からいえば,「変わり者」や「変人」と言われても特に嫌な気分にはなりません。
そもそも人と違うことをするのが「普通」という職業ですので,場合によっては褒め言葉とも言えそうですね(笑)

2.大学教員=変わり者とされる理由

大学教員が変わり者であるというのは割と一般的なイメージのようです。
そのようなイメージを持たれる理由としてよく聞かれるのが,

  • こだわりが強い。
    (自分の研究分野を突き詰めて考える職業だから。)
  • 大学教員の変わり者エピソードが語られている(学生発信など)。
  • そもそも数が少なくて,一般的に未知の部分が多い職業。
  • 大学教員=頭が良い人=ちょっと普通の人と違うというイメージを持たれている。

といったあたりでしょうか。

こだわりが強い

大学教員はそれぞれの研究分野をマニアックに研究している人達です。
そして,研究や学術論文では,これまでと同じことを言ってもほとんど意味はなくて,何かしら「新しい知見」を加える必要があります。
そうすると,「一般常識を疑う」とか,「人と違うことをやる」とか,「分かっていないことに取り組む」とか,「偉い先生の意見だろうが間違っていれば堂々と指摘する」といったことが当たり前になってきます。

このようなことを普段からやっていて,「人と違うことをする」のが習慣化しているので,こだわりが強い,というのは確かに一理あります。
ただ,これは研究に関してであって,日常生活でもこだわりが強いかと言えば,,,必ずしもそのようなことはありません。
もちろん,そういう人もいますが,突出してそういう傾向があるかと言えば,,,正直微妙なところかと思っています。

ただ,この説はそれなりに説得力があると思います。
人の「慣れ」っていうのはすごいもので,習慣化すると本当に当たり前のように行動してしまいます。

大学教員の変わり者エピソードがある

これは実際にあったことを学生が口頭で伝えて広がったり,場合によっては教員同士のやり取りから流れてくることもあるでしょう。
学生同士で情報が共有されて,「あ,それを言うなら私もこんなことがあって,,,」となって,ますます変人エピソードが重なるということもありそうですね。

話が多少誇張されていたりすることもあるかもしれませんが,基本的には実際に見たり,聞いたりしたことがベースとなっているので,極端に実態から離れたことにはならないことが多いはずです。

これに対して,

一般的に未知の部分が多い職業。

大学教員=頭が良い人=ちょっと普通の人と違うというイメージ。

の2つは,あくまでもイメージとか思い込み(悪い言い方をすれば「偏見」)に基づくもので説得力はないですね。

3.大学教員の自己評価

学生
学生

大学の先生たち自身は,自分たちのことをどう思っているの?🤔

とべお
とべお

多くの人は,少なからず「自分たちが変わり者」であるとは認識しているよ。

実際に私自身もそうですが,教員同士でこうした話になった時にも,学生に話をする時にも,教員は自分たち変わり者と言うことが多いです。
よくある大学教員から出るセリフの例としては,

  • 「普通の会社員とかは(能力的にも人間的にも)できない。だからこの仕事をしてる。」
  • 「この仕事しかできない。」
  • 「我々は社会〇適合者だからねぇ。」
    (◯には不が入ります)

といった感じです。
もちろん,若干のネタ的要素は含みますが,本当にこのように思っている大学教員は多いと思います。
ちなみに,私も思っています(笑)

このように考える理由は人それぞれだと思いますが,あくまでも個人的な意見を言わせてもらえば,「理不尽を我慢して受け入れることがとっても苦手」というのが大きいと思います。
たとえ立場が上の人から指示されたことであっても,自分が違うと思えばそのように言いますし,論理的に納得できる説明を求めるようなタイプが多いです。

これって,上司と部下の関係であったりすると一般的には「扱いづらい」人になりますよね。
大きなことであれば分からなくもないですし,言った方が良いことももちろんあります。
ただ,何か違うと感じても,「こういう決まりだから」とか「こうすることになっているから」と言われればそれを受け入れることができる人や,その環境でやってきた人からすれば,細かいことまでこういう姿勢で来られると,,,たぶんイライラするでしょう。
場合によっては,上司が指示をしても聞かない部下…
想像するだけで摩擦が起きそうです(笑)

大学教員は納得できる説明を無理に求めなかったり,それを受け入れる姿勢が「異常だ」と思っているわけではなくて,一般的には上司や同僚との関係でなかなか言えないであろうことを理解はしています。
しかしそれと同時に,自分たちはそれを言えるという,ある意味特殊な環境にいるということも理解しています。
そういう意味で,自分たちを「変わり者」と言っていると思っています。

ちなみにですが,これと関係して次で学生の皆さんに1つ良いことをお教えしましょう!

4.本当に「ヤバイ」大学教員は「自分はマトモ」と言う

さて,多くの大学教員は自分が変わり者であると認識しているか,少なくとも対外的にはそのように言う傾向にあります。
これに対して,

  • 「大学教員は変人,頭がおかしい人が多い。」
  • 「それに比べて自分はマトモだ。

こういうことを言う大学教員がいます。

「自分はマトモだ。周りはおかしい。」という発言をするタイプの教員こそ,本当に要注意の変人

です(笑)

あくまでも私の経験則ではありますが,実際にこういうタイプの大学教員は周りに迷惑をかける,悪い意味での変わり者が多いです。

多くの大学教員
多くの大学教員

大学教員って変わり者が多いよね。
まぁ,私も人のことは言えないけどね。

といった感じのタイプは,案外とんでもない変わり者ではなかったり,意外と常識人であったりします。
自分はマトモ,というタイプの教員がいたらぜひよく観察してみて下さい(笑)
そして,そういう教員にはあまり近づかない方がいいと思います。
(興味本位で観察してみるのは面白いはずです。)

5.本当に変わり者が多いのか?

一般的なイメージとしても,大学教員の自己評価としても,大学教員には変わり者が多いという認識は間違いなく存在します。
そのうえで,あえて,「本当に変わり者が多いのか?」ということを考えてみたいと思います。

個人的には,

とべお
とべお

そうでもないんじゃない?

と思います。
実際,大学教員以外でも,「なんだこの人…」,「変なやつだな」,と感じる人って多いですよね。
というか,ほとんどの人は付き合いが深くなっていけば,何かしらそういう面が出てくるはずです。
親戚や,田舎であれば近所の人を見ても,(好き嫌いとも関係すると思いますが)「自分にとっては理解できない行動」を取る人っていますし,変わった人認定をすることも多いでしょう。

また,本人にとって譲れないポイントや,趣味の話などになれば,「こだわりが強いなぁ」,「頑固だなぁ」,「なんでここにそんなに拘るんだろ?変なヤツ」と思う人がほとんどではないでしょうか。
改めてこう考えると,大学教員だけが突出して変わり者ではないと感じます。

学生
学生

じゃあ,どうして大学の先生は変な人が多いって言われるの?🤔

ですよね。
ということでその理由を考えてみると,この記事で書いたような「イメージ」の問題はありますが,それに加えて,

  • 自分の思うことをハッキリ言うことが多い。
  • 大学教員は多くの学生が見ている,聞いている。
  • 高校までの先生とのギャップ。

といったあたりが影響していると思います。

まず,大学教員は自分が思うことはハッキリ言う傾向にありますし,それを言うことで「変な奴だと思われたらどうしよう」といったことはあまり気にしない傾向にあります。
(あくまで主観です…)

一般常識的なものだったりしても,それが違うと思えば普通に言います。
そもそも,研究者というものがそういう仕事だということもありますが,一番大きなポイントは,それを「言える環境にある」ということだと思います。
誹謗中傷やハラスメントの類などはもちろんダメですが,上司や部下といった関係があるわけでもありませんし,あくまでも論理的にどうかという点から自由に発言できます。

趣味の類は人によりけりです。
ものすごくこだわりを持っている人ももちろんいますが,それは大学教員以外の人でも同様でしょう。

そして,このような教員の発言は,それが講義の中などでされたものであれば,多くの学生が聞いていることになります。
外見などの「ぱっと見」ではその人が「普通の人か,変わり者か」ということはほとんど分かりませんが,90分の講義を半期で15回,通年で30回も聞けば,「変わり者エピソード」の1つや2つは出てきます。

それを,多ければ数百人という学生が見たり聞いたりしているわけですから,同じような「変わり者エピソード」がいくつも聞かれるわけです。

多くの学生や生徒が見ているという点では,高校までの先生も同じような状況でしょう。
ただし,高校までの先生の立場はやはり「教育者」であって,正しい言葉を使うよう求められ,人格者であることが求められ,聖職者的な立場として見られることもあったりします。

それに対して大学教員は,あくまで「研究者」ですから,同じように「先生」と呼ばれる立場であっても,その性質はかなり違うものです。
実際,高校までの先生になるために必須の「教員免許」は,大学教員には必要ありません。
私も持っていません。
ここでも,大学の教員は比較的自由に発言できる立場にある,ということですね。

「これは言わない方がいいかな…🤔」といった内容をそれほど躊躇せずに言える立場にあって,それを多くの人が見る立場にあるということが,大学教員=変わり者のイメージをさらに強めることになっていると思います。

もちろん,「それを言うから普通じゃないってことじゃん」という見方もできますが,「思っていること」自体が大きく異なるわけではないのではないかと考えれば,世間のイメージほど突出した変わり者というわけではないのでは,と言えますね。

まとめ

以上,大学教員は変わり者なのかという点について考えてきました。
簡単にまとめておきましょう。

  • 大学教員=変わり者というのは,イメージ先行で語られることが多い。
  • いくつものエピソードも聞かれるが,それは,
    ・大学教員は比較的自由に発言できる立場にある。
    ・大学教員の発言は多くの学生が聞いている。
    という理由から「目立ちやすい」のであって,それほど突出した変わり者とも言えないケースが意外とある。

イメージというのはその人の認識に大きな影響を与えます。
一度,フラットな状態でじっくり観察してみるとよいと思います。
その上で,「あ,やっぱ変だわ」となる可能性も否定できませんが(笑)
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。

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適宜追加します。

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