大学入試の志望理由書の書き方とポイント 良い例,悪い例の具体例付きで紹介

志望理由書の書き方とポイント

受験生
受験生

大学の推薦入試とか総合型選抜で「志望理由書」が大事ってことは分かるんだけど,どういうところに注意して書いたらいいか分からない😢

志望理由書の書き方についても色々な情報が飛び交っていて,悩んでしまいますよね。
この記事では,志望理由書を書く際のポイントについて,具体例付きで紹介していきます。

この記事では,指定校推薦,公募推薦,総合型選抜などで書く必要がある「志望理由書」の書き方のポイントについて書いています。

  • 志望理由書に盛り込む内容は?
  • 志望理由書を書く際に注意するポイントは?
  • 志望理由書の書き方の悪い例,良い例

この記事は,実際に入試の面接試験を複数回担当した経験や,その時に感じたことをもとに書いています。

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※ただし,あくまでも私個人の意見であって,特定の大学,あるいは大学全体の見解ではありませんのでご注意ください。
また,個人面接(集団面接ではない)が対象となっている点にご注意ください(集団面接は担当したことがありません…)。

この記事を最後まで読んでもらえれば,志望理由書を書く際の特に重要なポイントを知ることで,他の受験生と差がつく志望理由書を書けるようになります。

ちょっと長いのですが,10分かからずに読めるので,志望理由書の書き方に悩んでいる方はぜひ最後まで読んでみて下さい。

1.なぜ志望理由書が大事か

さて,志望理由書の買い方について説明する前に,「なぜ志望理由書が大事なのか」について簡単に説明しておきます。
その理由として次の3つがあります。

  1. 大学側から見て「数少ない判断材料」である。
  2. 面接などのベースになる。
  3. 意外と差が出る。

順番に補足していきます。
推薦入試や総合型選抜で受験生の評価をする際に利用される項目としては,

  • 志望理由書
  • 面接や口頭試問
  • 小論文などの筆記試験
  • 高校からの成績表,内申点,推薦書

があります。
高校からの成績表等は,高校によって基準も違いますし,あくまで「参考程度」になります。
とすれば,志望理由書,面接,小論文,あたりが判断材料になります。
そして,面接で受験生に聞く質問などは,かなりの程度で「志望理由書に書かれたこと」がベースになってくるので,志望理由書の役割が結構大きいんです。

そして,志望理由書の文章には,受験生によって結構差があります。
高校などで指導や添削などもしてもらっていると思いますが,それでも,結構大きな差が見られます。

受験生
受験生

志望理由書ってかなり大事なんだ!

と思ってもらえたらOKです。

2.志望理由書に書くべきこと

志望理由書の大事さが分かってもらえたところで,次に行きます。

受験生
受験生

志望理由書にはどんなことを書けばいいの?

とべお
とべお

優先順位をつけて説明していくね。

優先度「高」

  • なぜ大学に行きたいのか(進学する理由)
  • なぜその学部に行きたいのか
  • 大学で何を学びたいのか

ハイ!まず書くべきことはここですね。
この3つはバラバラで独立しているというより,「セット」のようなイメージです。
ざっくり言えば,「大学の〇〇学部に行って何を勉強したいのか」を書くということです。
これがはっきり書かれていなくて,

面接官
面接官

そもそも大学行かなくてもいいんじゃない?
別の学部でもいいじゃん。
え?目的は無くて,ただ何となく進学?

なんて思われたら最悪ですね…😅

優先度「中」

  • なぜその大学に行きたいのか。
  • 卒業後はどのようにしたいのか。

これはちょっと意外に感じるかもしれませんね。

受験生
受験生

その大学を選んだ理由なんて絶対大事でしょ!?

と思いますよね。
たしかにそれは大事なことではあるんですが,個人的にはそれほど重要視されていないと思います。
その理由は,

面接官
面接官

実際問題,志望校って学力水準(偏差値など)がベースになって,あとは場所とかイメージだよね。
正直,どこの大学でも学べることにそんなに大きな差はないよね。
他大学と比べた特色なんて,正直その大学にいる教員でもよく知らんわ。

と思うからです。
実際,自分たちが志望校を選んだ時にこういう風に考えることが多かったと分かっているからです。

もちろん,その大学にいる教員の具体的な活動などが書ければ理想ですが(〇〇先生の取組が新聞で取り上げられていて・・・みたいな感じです),難しい場合も多いでしょう。
オープンキャンパスに参加して〇〇だった,みたいなことが書いてあれば十分ではないかと思います。

卒業後の進路についても,

面接官
面接官

今の時点でそこまで決まっている人って多くはないよね。

と思うので,無理やり書くことは無いと思います。
全く考えていないとなるとちょっと印象が良くないかもしれませんが,「はっきりとは決まっていないけど,〇〇などに興味を持っています」くらいが書けていればいいんじゃないかと思います。

大事なことは,特に優先順位が高いものについては「具体的に,詳しく書く」ことが大切です。
これは次に詳しく説明します。

3.志望理由書を書く時に気を付けること

志望理由書を書く時のポイントについて解説していきます。

志望理由書で差がついてくる大事なポイント

  • 自分の頭で考えて自分で書く。
  • 自分の言葉で書く(高校生らしい言葉で書く)。
  • 具体的に書く。

自分の頭で考えて,自分の言葉で書くということは,志望理由書だけでなく面接でも一番大事なことです。


そして,自分の頭で考えて書いたことであれば,自然と具体的な内容が含まれることになります。
ネットの例文や学校,塾などで見た例文などを使った文だと,正直,具体性が無くて評価は悪くなります。

受験生
受験生

具体的にはどういうことを書いたらいいの?

とべお
とべお

自分の体験などを入れて書くことが一番分かりやすいですね。

詳しくは後ほど具体例を示しますので,そちらを見てください。

形式的に最低限満たすべきこと

多くの人はできていることだと思いますが,たまに出来ていない人がいるとものすごく目立ちます。

  • 誤字脱字を無くす(3カ所以上は相当厳しい)。
  • 字数は指定文字数の9割は書く。

当たり前ですが,誤字脱字に注意です。
とはいえ,何度も見直していても気づかなかったりすることもありますから,「絶対にゼロにしろ」というつもりはありません。
感覚的に,3つ以上あると相当印象が悪くなる気がします。

次に字数ですが,これは指定文字数の9割以上,どんなに少なくても8割以上は書くようにしましょう。
たとえば,「1000字以内」なら基本は「900字以上」,どんなに少なくても「800字以上」は書くようにします。
「以内」ではなく「程度」の場合には±1割,最低でも±2割に収めてください。
たとえば,「1000字程度」なら「900~1100文字」という感じです。

受験生
受験生

内容が良ければ文字数なんてカンケーなくない?

と思うかもしれません。

とべお
とべお

たしかに一理あるんだけど,文字数は「テキトー」に設定してるんじゃなくて,「これくらいの内容を書いて欲しい,となると,このくらいの文字数が必要だよね。」という感じで設定しているんですよ。

短すぎる場合は必要なことが書けていないか説明不足,長すぎる場合には余計なことが書かれているか要点をまとめられていない,とみられると思ってもらうと分かりやすいですね。

4.志望理由書の悪い例

ここでは志望理由書の「悪い例」を見ていこうと思います。
悪い例というのは,先ほど書いた「志望理由書を書く時のポイント」を押さえていないものです。つまり,

  • 自分の頭で考えた文章ではない。
  • 高校生が使うような言葉ではない。
  • 具体的でない。

これですね。
そして,大体これに当てはまってしまうパターンというのは,「テンプレを使った(と思われる)場合」です。
要するに,

  • 例文などを参考にして,それをちょっと変えて書いたもの。
  • 「こういうことを書くべき」という情報通りに,一般に「ウケが良い」とされるような内容を書いたもの。

です。
こういう志望理由書を読んだ時の,大学教員(審査側)の正直な感想は,

面接官
面接官

またこのパターンかよ。もういいよ,同じことしか書いてねぇし。
本人は何にも考えてねぇな。

です。
汚い言葉で申し訳ないですが,本当にこう思います…

受験生
受験生

テンプレって,たとえばどんなもの?

と思いますよね。
2つほど具体例を挙げてみましょう。

具体例①
  • 高校の政治・経済で学習したり,最近の◯◯のニュースを見て,経済に興味を持ちました。もっと詳しく知りたいと考えるようになり,大学でより専門的な知識を身に付けたいと思いました。

大学教員の感想⬇

  • 政治・経済で学んだ内容で関心を持ったって,具体的にどの内容でどう思ったのよ?
  • ◯◯ってたしかに最近よく話題になるけど,その中で具体的にどういう所に関心を持ったの?ただ,今話題になっているものに飛びついてるだけじゃない?

はい,こんな感じです。
要するに,具体性が無くて,薄っぺらいと感じます。
多少は面接などで深堀しますが,それでも基本的に印象は良くないですね。

これならいっそ,「経済予測の方法を勉強して金持ちになりたいからです!」とか言ってくれた方がいいくらいです(笑)
個人的にはこういう正直なコメントは好きですが,一般的には厳しいかもしれないのでやめておきましょうね(笑)

具体例②
  • 自分の出身地は少子高齢化が進んでいて,閉店するお店なども多いです。将来は公務員になって,自分の育った地域を活性化したいと考えています。そのためには,経済の知識が不可欠だと思い,経済学部に進学したいと考えました。

大学教員の感想⬇

  • また出たよ,地域活性化…
    で,地域の活性化って何?具体的にどうなったら活性化に成功したって言えるの?
  • 地域の活性化というものを目指すとして,そこで「公務員」になるっていうのはどういう理屈?
    ほかにもいろんな方法はあるんじゃないの?

はい,地方の大学などだと特に多くて,毎年必ず登場するこの志望理由…
地方創生とか,地域活性化とか,その時の流行りの言葉にただ飛びついているようにしか見えないんですね。
具体的にこういう取り組みを,とか,自分は地域の活性化は◯◯だと考えていて,そのためには,とか,やはりそういう「具体性」がないと印象は悪いですね。

こちらもこれならいっそ,「安定してるから公務員になりたいだけです」と言ってもらった方がいいくらいです。以下具体例①と同様…(笑)

具体性の重要性が分かってもらえたでしょうか。

たとえば,誰かに付き合ってほしいと告白されたとしましょう。
そこで,「どうして私なの?」と聞いたとき,相手が

告白した男子
告白した男子

恋人が欲しかったから!

なんて言ったらどうしますか?

告白された女子
告白された女子

それ誰でもいいんじゃねぇか!!💢

って思いません?

告白した男子
告白した男子

ふだんの君の◯◯の行動を見て□□だと思った。昨日も私が△△の時に✕✕してくれて・・・

みたいな「具体性」が大事ですよね。
イメージ的にはこれに近いと思ってくれるといいかなと思います。

参考:「公務員志望」

参考までに1つ,知り合いの大学教員の話をしましょう。
その先生は面接で,

受験生
受験生

公務員になって社会に貢献したいです!

という受験生に対して,このように⬇言うそうです。

知り合いの教員
知り合いの教員

それって民間は社会に貢献してないってこと?

多くの受験生はこれで黙ってしまうそうです。
圧迫面接でヒドイ!みたいに思うかもしれませんが,真っ当なことを言っていると思いませんか?
貢献してない,は言い過ぎかもしれませんが,なぜ民間ではなく公務員なのか,これをしっかり説明できないといけません。
この意見を通すためには,少なくとも「民間より公務員の方が大きな貢献ができる(と思っている)」ことを説明できないといけないんですよ。

ここで黙ってしまって答えられないとなると,面接官から「結局何にも考えてないんですね」という烙印を押されることになります。
気をつけましょう…

5.志望理由書の書き方の例

さて,ここまで長々と志望理由書のポイントや悪い例を書いてきました。
最後に,

受験生
受験生

良い例の具体例を知りたい!

という要望に少し答えておきましょう。
ここまで読んでくれた人には分かると思いますが,大事なのは「自分の言葉で,具体的に」です。
具体的に,というのは,もう少し言えば関心を持ったことは細かく説明する,とか,自分の体験を織り交ぜるといったものである程度カバーできます。

具体例①
  • オープンキャンパスに参加して◯◯先生の模擬講義を聞いたときに,経済学の基本的な考え方では,皆が自分の利益が一番大きくなるように行動すれば結果的に社会全体として一番効率が良くなると考える,というお話を聞きました。普段の生活では,自己中心的と思われてしまいますし,他の人のことを考えることが大事だと思うのですが,こうした直感とは全然違う考え方が面白いなと思いました。しかし,高校で学習した「ゲーム理論」では・・・

ポイント⬇

  • オープンキャンパス,模擬講義などで自身の体験とその時に思ったことを書いていて,具体性がある。
  • 「経済」といった広い概念ではなく,その中の具体的なポイント(自分のことだけ考えれば社会全体が効率化する)について書いていて,具体性がある。
具体例②
  • 知り合いに役所に勤める公務員がいるのですが,その方が中心となって保育所不足を解消するための取組をしていたそうです。昨年になって新しい保育所ができて,それまで子供を預けられずに困っていた親戚が喜んでいました。このように,公務員は地域の人々の悩みに応えることができると知りました。そして,保護者のお金の負担が少ない公立の保育所の設置は,市役所でなければ難しいので・・・

ポイント⬇

  • 公務員になりたいと考えた具体的に体験などが書かれている。
  • 民間ではなく公務員でなければならない理由が書かれている。

このように,とにかく「具体的に書くこと」,そして,それを「自分の言葉で書くこと」が何より大事です。

このようにして志望理由書を書いておくと,それをベースにして行われる「面接」でもスムーズに答えることができて,結果も良くなるはずです。
ぜひ意識してみてください👍

参考:弁護士になった理由

私の知り合いの弁護士は,弁護士になった理由について,

「実家が事業をしていたが,うまくいかなくなってしまった。その債務の後処理などを弁護してやってくれて,当時大学生だった私は大学に通い続けることができた。その時「弁護士ってすごい仕事だ」と思って目指した。」

と言っていました。
しかも,法学部ではなく理系の学部からです。
志望理由書に限らずですが,こういう具体的な内容があると,説得力が違いますね。

まとめ

この記事では,推薦入試や総合型選抜で重要になる「志望理由書」について,その書き方,ポイント,悪い例,良い例を紹介してきました。
一番大事なポイントは,

  • 自分の頭で考えたことを,自分の言葉で書く。
  • 体験談など,とにかく具体的に書く。

でした。
志望理由書は,それ単体だけでなく,面接などにも関係します。
とても重要なものなので,このポイントを押さえて他の受験生に差をつけるようにしましょう。
読む側としても,いくつも似たようなテンプレ理由書がある中で「しっかり自分で考えられた志望理由書」があると,

面接官
面接官

おっ!これは!

と思いますし,救われます(笑)

それでは最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m

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