大学生はアルバイトをしたほうがいい?アルバイトのメリット・デメリット

大学生はアルバイトをしたほうがいい?メリット・デメリット

学生
学生

大学生活にも慣れてきたからアルバイトをしようかなって考えてるんだけど,アルバイトはした方がいいのかな?🤔

それとも学業に専念したり,資格試験の勉強とか,自分でビジネスをしてみたりする方がいいのかな?🤔

大学生=アルバイトをしてお金を稼ぐ,と言うのは一般的な認識だと思います。
とはいえ,「授業料や生活費を工面しないといけないから」といった理由でアルバイトをする学生がいる一方で,「みんなやってるから」といった理由で,何となくアルバイトをしている学生も多いでしょう。

この記事では,アルバイトをすることによってどんな良いことがあるのか,どんな弊害があるのか,そしてアルバイトをした方がいいのかについて,改めてこのような⬇内容で考えてみたいと思います。

  • 大学生のアルバイトの現状
     ・アルバイトをしているのは何%くらい?
     ・みんなの時給や月のアルバイト代はどのくらい?
  • アルバイトのメリット・デメリット
  • アルバイトをすべき?
  • アルバイトをする際の注意点

※どんなアルバイトがおすすめか?については,この後別記事で書いてみようと思いますので,少々お待ちください。

この記事の内容は比較的一般的な情報になると思います。
アルバイトをすべきかどうかについては,私の個人的な意見としては,

他に特に優先すべきものがないならば,短時間でいいのでアルバイトをするべき。
そして,勤務時間はあまり多くしないこと。

という感じです。
この意見は,私自身も学生時代にアルバイトをしていた経験や,現役大学教員として学生とアルバイトに関する話をしている時に感じたことなどに基づいて書いています。

ブログ本文記載用プロフィール(アルバイト関連の記事用)

この記事を最後まで読んでもらえれば,アルバイトをすべきかどうかを自分でしっかりと考えて決められるようになります。

ぜひ最後まで読んでみて下さい。

1.大学生のアルバイトの現状

学生
学生

バイトをしてる学生ってどのくらい?

みんなやってるのかな?

どのくらい働いてるんだろ?

気になりますよね。
というわけで,大学生のアルバイトの状況について簡単に見ていきましょう。

参考にしたのは,「日本学生支援機構」(奨学金関連で見ることが多い名前ですね)の「学生生活調査」(2年毎に実施)や「タウンワーク」等が実施したアンケート調査です。
それぞれのリンクはこちら⬇です。

・学生生活調査(リンクはこちら
・タウンワークマガジン「大学生のバイト代の平均月収、平均時給、平均シフトはどのくらい?」(リンクはこちら

1-1.アルバイトをしている大学生は80%強

アルバイトをしている学生の割合は,大学学部(昼間部),要するに朝~夕方に授業を受けている学部生で83.8%とのことです。
(「学生生活調査」,2022年度,11ページ)

2020年度が80.7%,2018年度が86.1%ということなので,「8割強」と思ってもらえればいいのかなと思います。
2020年度の数値が下がったのはコロナ騒ぎの影響ですかね?🤔

1つ注意点ですが,これは正確には「アルバイト従事者」の割合でして,「アルバイト従事者」は,この調査では「調査時前1年間においてアルバイトに従事した経験を有する者」となっています。

つまり,正確にいえば,直近1年間でアルバイトをしたことがある学生の割合なので,大学生100人に「今バイトしてますか?」と聞いて8割以上の学生が「してます」と答えたわけではない,というところに注意です。

1-2.アルバイト代の平均は月に3万円くらい

次に,平均的なアルバイト代ですが,これも同じ「学生生活調査」(2022年度,8ページ)によれば,
年間375,900円,単純に12で割って1か月当たりに直すと月31,300円ほどになります。

2020年度は年間366,500円でしたので,あまり変化はなさそうですね。

ちなみに,タウンワークの調査(2024年)では,「大学生の平均月収は50,000円台が最多」と書かれているので調査によって数値が結構違うかもしれません。

1-3.労働時間は週に13時間くらい

どのくらいの時間アルバイトをしているかですが,「学生生活調査」(2022年度,17ページ)に載っている表によると,

0時間→23.3%
1~5時間→12.5%
6~10時間→18.9%
11~15時間→19.2%
16~20時間→14.7%
21~25時間→5.7%
26~30時間→1.9%
31時間以上→3.4%

となっています。
これ以上細かい数値はないので,ざっくりと計算してみたところ(加重平均,階級値はこちらで適当に設定しました),週に13時間ほどとなりました。

週に3~4日,1日当たり3~4時間という感じでしょうか。
タウンワークの調査でも,「大学生のシフト平均は週3日、平日は1日4時間が最多」となっています。

1-4.時給は1000円+α,最低賃金くらい

時給は「学生生活調査」に載っていなかったので,「タウンワーク」の調査(2024年)を参考にしました。

それによると,三大都市圏(東京圏,近畿圏(大阪),中京圏(名古屋))で「1,100~1,150円が最多」,他の地域では「1,000~1,050円が最も多い」ということです。
もちろん,もっと高い時給で働いている学生もいると思いますが,多くの学生は最低賃金(2023年度の全国加重平均額が1,004円)近くの時給で働いているということになります。

2.アルバイトのメリット

学生
学生

バイトをすると良いことって,どんなことあるの?🤔

アルバイトをすることのメリットとしては,

  • お金が入る。
  • 働いてお金を得る経験,お金を稼ぐ大変さが分かる。
  • 仕事内容に応じた経験・知識が身に付く。
  • 新しい環境に身を置いて,新しい発見などがある。
  • 学外での人脈,交友関係が広がる。
  • 業界のイメージなどが分かり,就活に役立つ。
  • 社会人としての常識的なマナー,立ち振る舞いなどが身に付く。
  • マイムマネジメントが上手くなる(上手くならざるを得ない)。

といった感じでしょうか。

「①お金が入る」

これはもうそのままですね。
自由に使えるお金が増えますし,授業料や生活費などを稼がなければならない場合は必須です。

「②働いてお金を得る経験,お金を稼ぐ大変さが分かる」

これは「金銭感覚」を養うことに繫がります。
アルバイトや自分でお金を稼ぐ経験をしたことがない状態は,言ってしまえば「人(主に両親)の稼いだお金をめぐんでもらっている状態」です。

お小遣いなどの金額は家庭環境(家庭の収入や教育方針)によって変わりますが,主にそこで形作られてきた金銭感覚を,自分が働いて得られる「市場価値」によって客観視できるようになります。

要するに,「え?こんなに働いたのにこれだけしかもらえないの?」とか,「やっぱりこのくらいだよね」とか,「え?こんなにくれるの?」といったことで,「自分の労働の市場価値」を知るきっかけになるわけですね。

「③仕事内容に応じた経験・知識が身に付く」

これもとても大切なポイントです。
そして「どのようなアルバイトをするか?」によって身に付く知識も変わります。
アルバイトの選び方については別記事にしますので少々お待ちください。

「④新しい環境に身を置いて,新しい発見などがある」

大学に入学すると,それ自体が新しい環境なわけですが,やはり徐々に慣れてきて新しい刺激というのは減ってきます。

大学の外でも,新しい環境に身を置いて,刺激を受けるというのはとても大切です。

「⑤学外での人脈,交友関係が広がる」

新しい環境,刺激という意味では,④と同じです。
高校までほどではありませんが,大学も基本的には同年代の学生が多くある意味閉鎖的で,多様性が豊かとはいえない環境です。

そこから離れて,色んな年齢層,環境,バックグラウンドの人達に会うことができるというのはアルバイトのメリットですね。

「⑥業界のイメージなどが分かり,就活に役立つ」

これは分かりやすいことではありますが,就職活動を数年後に見据える学生からすれば大事なポイントですね。
やはり,実際に現場を見てみるのが一番ですから,就職する業種や仕事内容などを一部とはいえ見ることができるのは良いことです。

「⑦社会人としての常識的なマナー,立ち振る舞いなどが身に付く」

言葉遣いや挨拶といった基本的なことから,接客業であればお客に対する対応など,基本的なマナーを身につけないといけません。
職種によっては,正直何の意味があるのか分からない「過度なマナー」みたいなものもあるかもしれませんが,そうでなくても,基本的なところはどんな業種でも要求されます。

ちなみに,私は個人的には「マナー本」の類に載っている意味不明なものは完全スルーしますが,世の中にはそれを気にする人もいます。

そういう意味では,「理不尽を経験する」というのもアルバイトから得られるものかもしれません。
これはデメリットでもありますが。

そうした理不尽に耐えるのか,理不尽に耐えなくてよいようにするにはどうすればいいのか,もう少し言えば,できるだけ理不尽に耐えなくてよい仕事はどういうもので,それになるためにはどうすればよいのか。
こういったことを考えるきっかけにもなります。

「⑧マイムマネジメントが上手くなる(上手くならざるを得ない)」

アルバイトに一定の時間を割かなければいけないので,大学の勉強やプライベートの時間をどうやって確保するかを考えなければいけません。

要するに,時間配分を考えてうまく「タイムマネジメント」をしないといけなくなります。
これが出来ないと,大学をサボり気味になったり,単位を落としがちになったり,最悪の場合,卒業できなくなったりします。

他にもあるかもしれませんが,代表的なものはザッとこのような感じでしょうか。

3.アルバイトのデメリット

アルバイトのデメリットも分かりやすいです。

  • 時間を取られる。
  • 学業に支障が出るケースがある。
  • 人間関係などのストレスがあり得る。

「①時間を取られる」,「②学業に支障が出るケースがある」

この2つは基本的にセットになる大事なポイントです。

アルバイトをしていると,そこに時間がとられて他のことに回す時間が減ります。
時間の合計は一定ですから,何かをすれば他の何かをすることを諦めなければいけません。
要するに「トレードオフ」です。

一番影響を受けてはいけないのが「学業」で,これを疎かにすると,,,想像するだけで恐ろしい未来が待っていますね。

単位を落とす→単位が足りない→留年

となったら目も当てられません。

「③人間関係などのストレスがあり得る」

私はあまり実感したことがなかったのですが,学生からアルバイトの話を聞くととてもよく出てくるものです。

接客や電話応対などでは理不尽なクレームを言われる,といったものが代表的です。
とはいえ,人間関係のストレスはアルバイト以外のどんなものでも付きまといますから,アルバイトだけの問題ではありません。
ただ,アルバイトをしていない状態に比べて増えるというのは間違いないですね。

4.アルバイトは基本的にした方がいい

学生
学生

メリットとデメリットを比べると,メリットの方がたくさんある感じだね。

ということはアルバイトはした方がいいの?🤔

とべお
とべお

そうだね,基本的にはアルバイトはした方がいいと思うよ。

とはいえ,ちょっと条件も付きます。

まず,アルバイトで得られるものよりも優先すべきものがある場合はそちらを優先してください,ということです。

要するに,「他にやることがあるからバイトしてる時間は無ぇ!」という人はしない方がいいですし,そういうものがないのであればアルバイトをしてみるとよい,ということです。

「他にやること」というのは,たとえば,資格試験の勉強自分でビジネスを始めてそれどころではない,などなどです。
(単純に,「学生のうちは楽しく遊ぶんだ!」ということでも構いませんが。)

こういったことはアルバイトよりも優先すべきです。

5.アルバイトをする際に気をつけること

アルバイトは基本的にした方がいいとお伝えしましたが,いくつか注意点があります。

  • 熱の入れすぎ(やりすぎ)に注意する。
  • 税金や社会保険料に注意する(いわゆる103万円の壁など)。
  • ちゃんと契約を確認する。
  • ちゃんと仕事を選ぶ。

「①熱の入れすぎ(やりすぎ)に注意」

一言で言えば,バイトをやりすぎない,バイトに入れ込み過ぎないということです。
バイトなどがきっかけでやりたいことが見つかったので退学します,というなら別に問題はないのですが,単位が取れない→卒業できない→留年や退学,となってしまっては元も子もありません。

お金が欲しい,買いたいものがある,といった場合も,そこは我慢するところです。
もしくは,アルバイトをした上で意地でも単位を取りに行くという気合が必要です。

簡単なこと,当たり前のことのように聞こえると思いますが,アルバイトに励み過ぎて単位が取れない学生は,多くはないですが一定数存在します。

それと,とても大事なことをお伝えすると,あくまでも一般的には,ですが,

アルバイトに限らず,働くことは自分の時間の切り売りである。

ということです。
自分の時間を売って,お金を得ているわけです。
(もちろん,仕事の成果への報酬でもありますが。)

そして,最初の方に書いたように,大学生の時給は最低賃金近くのケースが多いです。
そうすると,

長時間やっても,ただ時間を大量に安売りしているだけである。

と言えます。
ですから,「アルバイトでたくさん稼ぐんだ!」というのは,やめた方がいいです。
ほどほどの時間,先ほど挙げたメリットを得るためにアルバイトをするのが良いでしょう。
(もちろん,時給の高いアルバイトを探すというのも別の手としてはありますが,基本的には限界があります。
いい大学に行っていい会社に就職するんだ!というのも考え方はこれと同じです。)

「②税金や社会保険料に注意(いわゆる103万円の壁など)」

所得の額が103万円を超えると所得税を払う必要があります。
103万円というのは,給与所得控除(55万円)と基礎控除(48万円)を合わせたものです。

これを超えると所得税を払う必要がありますが,それは103万円を「超えた分だけ」にかかる上に,税率は5%と高くありません(課税所得が195万円未満の場合)。
ですから,これ自体は大した問題ではありません。

(ちなみに,学生の場合には「勤労学生控除(27万円)」を使うこともできます。)

ところが,この103万円を超えると「扶養から外れる」ことになります。
扶養者(多くの場合は両親のいずれかでしょう)の扶養控除が適用できなくなる,要するに,お父さんかお母さんが払わないといけない税金が増えることになります。

ただ,ここまでの金額をアルバイトで稼ぐには結構な労働時間になりますから,やはり,ほどほどの時間とするのが良いでしょう。

ちなみに,130万円を超えると社会保険の加入義務が生じることになるので,ここも注意が必要です。

「③しっかりと契約を確認」

アルバイトをしている大学生の中には,「アルバイトでも有給を取れることなんて知らなかった」という学生も結構います。

「(雇用)契約書なんて見たことがない」という学生もいます。

アルバイトといえども,立派な雇用契約ですから,その内容はちゃんと見ておかなければいけません。
無駄なトラブルを避けることにもつながります。

「④ちゃんと仕事を選ぶ」

何のアルバイトをするか,というのもとても大切です。
「何でもいいからアルバイトをする」,「友達がやっているから」,「これをやっている人が多いから」,こういった理由でテキトーに選ばない方がいいです。

自分の大事な時間を使うわけですから,そこはしっかり考えましょう。

学生
学生

具体的にどんな風に選んだらいいの?

おすすめとかあるの?🤔

この話題については長くなるので改めて別記事にしますが,ちゃんと考えるのが大切ということをまずはお伝えしておきます。

まとめ

以上,大学生のアルバイトの現状とアルバイトのメリット・デメリット,注意点についてお伝えしてきました。

簡単にまとめておきましょう。

  • アルバイトには時間を取られるというデメリットがあるが,それ以上に多くのメリットがある。
  • アルバイトは基本的にした方がいい。
  • アルバイトのやりすぎには注意が必要。

アルバイトがきっかけで気づくことも多かったりします。
良い経験になることも多いので,ぜひ,「ほどほどの時間」でアルバイトをしてみて欲しいと思います。

それでは,最後まで読んでいただきありがとうございました。

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適宜追加します。

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