大学の先生にメールを送りたいんだけど,どんな風にメールを書いたらいいの?🤔
高校生までだと学校の先生にメールを送る経験はあまり多くないので,大学で先生にメールを送る時に困った,悩んだという人もいるでしょう。
特に大学1年生は,メールの書き方,送り方がよく分からないということもあると思います。
私も学生時代に,ゼミの先生からメールの書き方について注意されたことがあります…
そこでこの記事では,大学で教員にメールを送る際の書き方や送り方など,メールの基本的なポイントをお伝えします。
欠席の連絡や質問など,よく使うシチュエーションのテンプレートと例文も載せておきますので,困ったらテンプレを使ってみてください。
この記事の内容はこちら⬇です。
- メールを送る際の基本的なポイント
- よくあるシチュエーションでのメールのポイントとテンプレ,例文
・欠席の連絡
・教員への質問(アポ取りや依頼も含む)
この記事は,実際に大学教員として学生とメールでのやり取りをしている経験に基づいて書いています。
この記事を読んでもらえれば,大学の教員にメールを送る際にも悩まずに,失礼のないメールが送れるようになります。
メールの基本的なポイントは就職活動や就職後でも同じで役に立ちますから,ぜひ最後まで読んでみてください。
1.大学生はメールを送る機会が増える
大学生になると,高校生までと比べて教員にメールを送る機会が増えます。
授業の欠席をメールで伝える,授業の内容で分からないところを聞く,質問のアポを取る,などが代表的なケースです。
高校生までは,同じ先生に週に何度も会いますから,聞きたいことを直接聞くことができる機会が多いです。
大学の場合,基本的には週に1回,授業の時に会うくらいになりがちです。
非常勤の教員の場合には,授業とその前後の時間しか大学にいないことが普通ですから,直接コミュニケーションを取る機会はとても少ないです。
(常勤,非常勤の違いなどについては別記事で解説する予定です。)
また,ゼミの選択など,授業を取っていない,面識の全くない教員に連絡をする必要が出てくることもあります。
最近は,ゼミなどの少人数科目ではメール以外の方法で連絡を取ることもあるかもしれませんが,大学生にとって,メールを送る際の基本的なポイントを押さえておくのはとても大事なことです。
とはいっても,あまり細かいことを気にする必要はなくて,本当に基本的なポイントだけです。
一通りのことを一度知ってしまえば,なんてことはありません!
しかし,私も学生からメールを受け取ることも多いですが,実際には基本的なポイントが押さえられていないなと思うことが多いです。
私は1年次の入門系の科目を担当していることもあって1年生からのメールを受け取ることが多いので,特に気になるところが多いです。
逆に言えば,周りが出来ていないことが多いので,本当に基本的なポイントを押さえたメールを送るだけで印象が良くなります。
もちろん,就職活動や就職後でも必要なポイントになります。
2.メールの書き方,送り方
具体的にはメールを書く時にどんなところに気をつけたらいいの?🤔
最低限押さえておくべきポイントはこちら⬇の8つです。
- 大学から付与されるアドレスから送る。
- メールのタイトル,件名を書く。
- 相手の名前を書く。
- 簡単なあいさつ文(定型でOK)を書く。
- 名乗る(④と⑤の順番はどちらが先でもOK)。
- 用件(本文)を書く。
- 締めの1文(定型でOK)を書く。
- 署名を付けておく(事前に設定するとラク)。
8つと聞くと「多いな…」と思うかもしれませんが,本当に基本的なポイントだけですので心配ありません。
実際にあったメールの悪い例については別記事で詳しく書きますので,この記事では①についてだけ簡単に説明しておきます。
ほとんどの大学では学生に1人ずつ専用のメールアドレスが付与されます。
学生番号などが入ったアドレスですね。
携帯などのアドレスは使用せず,大学のアドレスを使用してください。
(メールに不備があっても学生番号や氏名などで誰か分かりますし,そもそも個人のアドレス(しかも別の名前になっていたりすることもあります)で送られても「知らん!」としか思いませんので…)
3.授業を欠席(遅刻)する際のメールの書き方とテンプレ
授業の欠席を伝えるメールを送ることも多いと思います。
ここではそのポイントの説明とテンプレートと例文を載せておきます。
ちなみに,すべての授業で欠席の連絡が必要かと言えばそうではありません。
授業の欠席についてはこちら⬇の記事をご覧ください。
3-1.欠席のメールの書き方のポイント
授業の欠席を伝えるメールを送る場合のポイントは,次の3つです。
(遅刻についても同様です。)
- どの授業のものかを明示する。
- 欠席の理由を具体的に書く。
- 欠席による影響への配慮や代替措置を書く。
まず,どの授業の話なのかを明確に書いてください。
教員も複数の科目を担当しているので,どの授業のことなのかを書いてもらわないと困ります。
いないと思いますが,もし,「名簿で分かるんだから自分で調べろ」みたいなことを考える人がいるなら,,,もう無断で欠席してください。
関わりたくありません(笑)
次に,欠席の理由を具体的に書いてください。
「休みます」とだけ書かれても,それがやむを得ない理由なのかどうか判断できないからです。
特にゼミなどの演習系の科目で欠席する場合には,その後の報告の順番や代替措置などを考える必要があるので,伝えられる範囲で伝えましょう。
「それは仕方ないね」という理由での欠席の場合には代替措置を講じることを考えますが,いわゆる「自主休講」的なものであれば無視です…
「仕方ないね」と考えられる理由とそうでない理由に関して,実際にあった例を書いておきます。
・仕方ないと考える例
冠婚葬祭,家族の入院,インフルエンザなどの指定感染症,交通機関の問題,就活(全般ではなく試験や面接など),部活やサークルの試合,めちゃめちゃ具合が悪い,など。
※ちなみにコロナ騒ぎ以降,「体調不良」についても一定の考慮をするようになったと思いますが,逆に「体調不良って言っとけばいい」という風潮もあるように感じます。このあたりは普段の学生の態度からある程度判断しています。
・自主休講的なものと判断した例
バイト,帰省や家の用事(何かは分からないが,具体的に書いていない場合には自主休講的なものと判断),私用(こちらも内容が分からないので同様。ちなみに,これが2度続いたことがあって学生に聞いたところバイトでした…(笑)),など。
要するに,具体的なことが書いていない場合には自主休講的なものと判断することが多いということです。
体調不良であっても,たとえば「38.5度の熱があって」とか,「下痢がひどくて外に出られない」とか,そういう具体的なことを書くだけで印象が全然違いますのでご参考までに。
最後に,欠席による影響への配慮や代替措置を書いてください。
たとえば,自分が報告するはずだった回を欠席したなら,別の日に報告をさせてもらえるようにお願いするとか,報告で使う予定だった資料を欠席の連絡のメールに添付するとか,そういったことです。
課題の提出日だった場合には,メールや授業支援システムから課題だけでも提出しておくといった対応が必要です。
大事なことは,こうした代替措置を講じずに「ただ休む」となった場合は,課題や報告の準備を「やっていない」と判断される可能性があることです。
3-2.欠席のメールのテンプレートと例文
欠席のメールのテンプレートと例文を載せておきますので参考にしてください。
件名:◯◯の欠席について
本文:
◯◯先生
いつもお世話になっております。
◯◯を履修している◯◯学部◯年の◯◯(学生番号◯◯)です。
◯◯のため,◯◯(いつの)◯◯(授業名)を欠席させていただきます。
(代替措置等についてここに書く)
ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんが,よろしくお願いいたします。
―――――
氏名
所属
E-mail:
TEL:
―――――
件名:11/11のゼミナール1の欠席について
本文:
佐藤一郎先生
いつもお世話になっております。
ゼミナール1を履修している鈴木二郎(学生番号1111111)です。
体調不良で本日病院で検査したところインフルエンザという結果でしたので,明日のゼミを欠席させていただきます。
なお,報告で使用する予定だった資料は本メールに添付いたします。
来週のゼミには出席できると思いますので,私の報告を来週に変更していただくことは可能でしょうか。
ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんが,よろしくお願いいたします。
―――――
鈴木二郎
サードゼミ大学経済学部経済学科
E-mail:1111111@~
TEL:080~
―――――
ちなみに,敬称は「先生」としておくのが無難です。
職位(教授,准教授,講師など)は学生には馴染みがなくて分かりづらいですし,「様」よりも「先生」がよいと思います。
(ほんとにごく少数ですが,たまーに「様」の敬称で起こる人も実際に見たことがあります…)
職位については,こちら⬇の記事をご覧ください。
4.質問をする際のメールの送り方とテンプレ
授業の内容などについて,メールで質問をすることも多いと思います。
ここではそのポイントの説明と,テンプレートと例文の提示をします。
4-1.質問のメールの書き方のポイント
質問のメールを送る場合のポイントは,次の3つです。
ちなみに大前提として,ちょっと調べれば分かる質問などはしないでください。
- 何に関する質問であるか(例=授業名)を明示する。
- 質問の内容を具体的に書く。
- 教員からの返信(回答)に必ず返信する。
まず,何に関する質問であるかを書いてください。
授業の内容についてであれば,授業名を書くようにします。
欠席の連絡と同じですね。
次に,質問の内容を具体的に書いてください。
大事なことは,ただ「分かりません」と漠然に書くのではなくて,どの部分の何が分からないのか,ここまでは理解できたがその先のこの部分が分からない,自分はこう理解したけれどもそれでよいのか,など,具体的に書くことです。
ただ漠然と「分からない」と言われても困ります。
それから,授業に出ていることが前提の質問をしてください。
出てなかったから分からない→教えろ,と言われても「そんなん知らんわ」となるのがオチです…
最後に,質問のメールを送った場合には,教員からの返信・回答に対して必ず返信してください。
長い文でなくていいです。
質問を送ってきて,それに対して回答をしたらそのままという学生が非常に多いように思います。
(私の担当が1年生科目だからという理由もあると思いますが。)
4-2.質問のメールのテンプレートと例文
質問のメールのテンプレートと例文を載せておきますので参考にしてください。
今回は講義の内容についての質問の例にしました。
件名:◯◯についての質問
本文:
◯◯先生
いつもお世話になっております。
◯◯を履修している◯◯学部◯年の◯◯(学生番号◯◯)です。
第◯回の◯◯の内容について理解できていないところがあり,ご教授いただきたくメールをさせていただきました。
講義の中で,◯◯とありました。
(自分で分かっているところ,自分の理解について簡単に書く)
講義の中でご説明いただいたかと思いますが,◯◯をしっかりと理解することができませんでした。
お忙しいところ恐縮ですが,ご教授いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
―――――
氏名
所属
E-mail:
TEL:
―――――
件名:マクロ経済学の第5回の内容についての質問
本文:
佐藤一郎先生
いつもお世話になっております。
マクロ経済学を履修している経済学部1年の鈴木二郎(学生番号1111111)です。
第5回の貨幣システムの内容について1点理解できていないところがあり,ご教授いただきたくメールをさせていただきました。
講義の中で,中央銀行の金融政策で直接コントロールできるのは(マネーストックではなく)マネタリーベースである,とありました。
マネーストックは,日銀のHPによれば,「一般法人,個人,地方公共団体などの通貨保有主体(詳細後述)が保有する現金通貨や預金通貨などの通貨量の残高」とされていて,中央銀行が金融緩和/引締によって市中に貨幣を供給すればその量をコントロールできると思います。
講義の中でご説明いただいたかと思いますが,マネーストックを直接コントロールできないというところをしっかりと理解することができませんでした。
お忙しいところ恐縮ですが,ご教授いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
―――――
鈴木二郎
サードゼミ大学経済学部経済学科
E-mail:1111111@~
TEL:080~
―――――
~これに対する返信があったとして~
さらに返信が必要です。
なお,メールの件名については変更不要です(Re:元のタイトル)の形に自動的に変わると思います。
本文:
佐藤一郎先生
経済学部2年の鈴木二郎です。
お世話になっております。
早速ご返信いただきありがとうございます。
ご返信をいただき,マネーストック統計には通貨の保有主体として中央銀行を含めないという点を理解できていなかったことが原因だと分かりました。
お忙しいところ丁寧にご教授いただきありがとうございました。
今後ともご指導よろしくお願いいたします。
―――――
鈴木二郎
サードゼミ大学経済学部経済学科
E-mail:1111111@~
TEL:080~
―――――
返信のメールは長く書く必要はありませんが,返信へのお礼と,返信によって解決したことを具体的に書くことが必要です。
「返信ありがとうございます。分かりました。」などでは,かなり雑な印象を与えてしまい,「ホントに分かったのか?」と思われたりしてしまいます。
5.アポを取る際のメールの送り方とテンプレ
対面での質問をしたい,奨学金の推薦書を依頼するなど,事前に教員にアポを取りたいこともあります。
ここではそのポイントの説明とテンプレートの提示をします。
5-1.アポ取りのメールの書き方のポイント
アポ取りのメールについても基本的には「2.メールの書き方,送り方」と共通ですが,以下の4つのポイントを追加します。
- 何のためのアポ(質問,何かの依頼など)なのかを書く。
- おおよその所要時間を書く。
- 自分の都合のつく日程を複数提示する。
- 返信へのお礼と日程の確認を兼ねて必ず返信する。
まず,何のためのアポなのかを書いてください。
教員にとっても,事前に何の用事でアポを取りたいのかが分からないと困ってしまいます。
質問にしても依頼にしても,事前に内容が分かっていれば準備をしておくこともできます。
調べなければならないことなどをいきなり言われても,お互いに時間の無駄になってしまうので,事前に内容を伝えるようにしましょう。
それから,自分が考えるおおよその所要時間を書いてください。
極端な話,1分で終わる(たとえば,何かの申請書類の印鑑をもらうだけ,とか)用件であることを伝えずに教員が30分時間を確保してしまえば無駄になってしまいますし,30分は無理でもちょっとした空き時間があれば1分の用事は済ませることができたかもしれません。
そして,自分の都合のつく時間を必ず「複数」提示してください。
教員も暇ではありませんから,1つだけの時間を提示されても,その時間で対応できなければ改めてすり合わせをしなければいけません。
また,対応する側(=教員)に日程の提示を丸投げするのも良くないですね。
最後に,返信へのお礼と日程の確認を兼ねて,必ず返信する(この日のこの時間ですね,承知しました。という感じ)ようにしましょう。
5-2.アポ取りのメールのテンプレートと例文
アポ取りのメールのテンプレートを載せておきますので参考にしてください。
今回はゼミ選択に際して,ゼミの活動内容等について聞きたいという依頼例にしました。
(氏名,依頼事項などはそれぞれ修正してください。返信は省略します。)
件名:ゼミの活動についてのお伺い
本文:
佐藤一郎先生
突然のメール失礼いたします。
経済学部2年の鈴木二郎(学生番号1111111)です。
ゼミナールでの活動について詳しくお話をお伺いしたいと思い,ご連絡をさせていただきました。
現在,来年度からのゼミ選択の検討をしているのですが,先生のゼミにとても関心があり,ゼミの様子や活動について詳しくお話を聞きたいと考えております。
つきましては,来週以降で15分程度のお時間をいただけますと幸いです。
私のほうは,水曜日(11日)~金曜日(13日)であればいつでもお伺いできます。
お忙しいところ申し訳ございませんが,先生のご都合の良い時間を教えていただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
―――――
鈴木二郎
サードゼミ大学経済学部経済学科
E-mail:1111111@~
TEL:080~
―――――
まとめ
以上,大学でのメールの書き方について解説してきました。
簡単にまとめておきます。
- 基本的なポイントを押さえるだけで失礼のないメールが送れる。
- 大学のアドレス,件名,相手の名前,あいさつ文,自分の名前,用件,締めの文,署名。
- 欠席→理由と代替措置の依頼を具体的に書く。
- 質問→分からないところを具体的に書き,必ず返信する。
- アポ取り→日程を必ず提示し,必ず返信する。
1年生には特に基本的なポイントが抑えられていない学生も多いので,これらを押さえるだけでかなり印象が良くなります。
就活などでも使える基本になりますから,ぜひ身につけておきましょう!
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。
適宜追加します。