大学の授業は,予習と復習のどっちに時間を使った方がいいの?🤔
そもそも,予習・復習をしないと単位を取るのは難しいの?🤔
予習と復習をするかどうか,どちらを優先するか,どのくらいやるか,,,悩みは多いですね。
シラバスには,「そんなにできないでしょ!!」という非現実的な予習・復習の時間が書いてあるはずです。
そこでこの記事では,このような⬇内容について書いていきます。
- 予習と復習はどちらを優先すべき?
- シラバスにある予習・復習の時間はどう捉えるべき?
- そもそも予習・復習はしないと単位は取れない?
- 予習・復習はどのくらいの時間やるべき?
事前に2つお伝えしておくと,まず1つは,「講義」と「演習(ゼミなど)」ではこれらの内容に対する答えが変わります。
この記事では「講義」の場合と「演習」の場合とに分けて解説していきます。
もう1つは,単位を取ることよりも考え方や知識を身に付けることの方が遥かに大事ですから,単位に関係なく予習・復習はできるだけやった方がいいのは間違いないです。
ただ,そうはいってもキリがないので,今回は単位の取得というところを目安に解説していきます。
この記事は,現役大学教員として大学で授業をしている経験や感覚に基づいて書いています。
この記事を最後まで読んでもらえれば,予習と復習のどちらを優先すべきか,予習・復習にどの程度の時間をかければ良いかの目安が分かります。
ぜひ最後まで読んでみてください。
※復習の仕方については別記事で解説する予定ですので少々お待ちください。
1.大学での予習と復習の意味
まずは大学での予習と復習の意味や位置づけについて整理しておきましょう。
その際,「講義」形式の授業と,ゼミなどの「演習」形式の授業ではかなり意味合いが変わってくるので分けて考える方が良いです。
講義形式の場合は,予習と復習の意味は基本的に高校までの授業と同じようなもので,大きな違いはありません。
予習
- その日の大まかな内容を頭の中に入れておく。
- 講義の内容のストーリーを事前に頭に入れておく。
- 基本的な単語などを事前に調べておくことなどで,講義時間での理解度を上げることができる。
復習
- 講義で扱った内容の確認をする。
- 分からなかったところがないか,あればその内容を理解できるようにしておく。
- 前後(特に前)の回の内容とのつながりなどを整理しておく。
このような感じです。
高校までの授業と同じようなイメージですね。
受験勉強の場合には,「事前に問題を解いておく」という予習が存在しますが,これとは少し予習のイメージが違いますね。
ゼミなどの演習形式の予習・復習は,講義形式のもの(あるいは高校まで)とはかなり違ってきます。
予習
- 資料を作成するなどして,報告や発表の準備をする。
- その日扱う文献を「しっかり」読み,内容や疑問点を整理する。
- それ以前に指摘された箇所や問題点への対応を済ませておく。
復習
- 授業(ゼミ)の中でのコメントや指摘の内容を整理する。
- コメントや指摘への対応方針を検討する。
演習形式の場合,「予習」と「復習」に明確に区分するのが難しいのですが,次回の発表等の準備を予習とすれば,ほとんどは予習の範囲となります。
講義とは違って,ゼミの準備をしてくるのは多くの場合学生ですから,必然的に予習の内容が多くなります。
2.予習と復習のどちらが大切か
予習と復習については分かったけど,結局どっちが大事なの?🤔
結論を言えば,講義なら復習,ゼミなどの演習なら予習だね。
講義と演習とで予習・復習の位置づけが違いましたので,その内容を考えてみると分かりやすいですね。
講義形式の場合は,基本的に高校までの授業と同様の方針で大丈夫です。
つまり,
- 復習が重要。
- 講義の内容を理解できているか確認する。
- 講義の内容の「つながり」や「論理的な構造」を理解する。
- 予習は時間があればする方が良いが,優先するのは復習。
です。
講義で扱った内容がしっかりと理解できているかが重要ですから,そのための「復習」の重要度が高くなります。
ただし,高校までとは違って「これを覚えてください」とか「この問題を解けるようにしておいてください」といった「分かりやすいもの」だけではありません。
教員の口頭での「説明」や,「内容同士のつながり」といった「論理的な構造」を理解することがとても大事になります。
「利潤最大化の下では,価格は限界費用に等しい。」
これを「暗記」してもほとんど意味がありません。
なぜそうなるかを理解する必要があるのですが,それは残念ながら一言では説明できません。
講義では,教員がそのプロセスを長々と説明するはずなので,その一連の「論理の流れ」を理解することが必要になります。
この⬆例を見たりすると,
具体的にどうやって復習したらいいか分からないよ…😥
という悩みも出てくるかと思います。
こちらについては別記事にしようと思いますので少々お待ちください。
ゼミなどの演習形式の場合は,講義形式とは全く違ってきます。
つまり,
- 予習(準備)の方が重要で,時間もかかる。
- 具体的には,報告の準備や資料の作成などを行う。
- この準備が出来ていないとゼミ活動ができないため,「必須」。
- 復習はゼミの中での指摘やコメントの整理と検討などになる。
です。
繰り返しになりますが,ゼミは事前に準備してくるのが大前提で,その内容を詳しく検討したり,討論したりするものです。
予習(準備)は,「優先」どころか「必須」です。
私が院生時代にお世話になった先生(私はその先生のゼミではありませんでしたが)は,学生が不十分な準備しかせずにゼミに来た時,
こんなんじゃゼミにならない!
と言って帰ったそうです。
「厳しいな」とか「嫌な奴だな」と思うかもしれませんが,ゼミの活動は本来こういうものだと思います。
ゼミには必ず準備をして臨みましょう!
3.シラバスにある予習・復習の時間は必要か
シラバスを見たら,各回に4時間の予習・復習をするように書いてあるんだけど,
そんなの無理じゃない?😥
ハイ,これは多くの学生が一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
こちら⬇の記事でも書きましたが,「大学設置基準」では,2単位の科目1回につき4時間の予習・復習をするようになっています。
(4時間の予習復習を必要とする内容にしなさい,とされています。)
ただ,
普通に考えて無理でしょ…😭
となりますよね🙄
これには激しく同意します。
実際,これほどの難易度のものを設定していることはないので,4時間もの予習・復習はしなくても大丈夫だと思ってください。
4.予習と復習は必要か?どのくらい必要か?
最後に,予習・復習はどのくらいの時間をかけてやれば良いのかを考えておきましょう。
大学設置基準のように,1科目につき各回4時間,,,これはさすがに必要ないです。
実際に必要な時間というのは個人差があるので一概には言えないのですが,あくまで目安ということでまとめておきます。
(たとえば,とある先生は,学生の時も話を聞いてその本質を理解するのが得意で,メモも取らなかったけど大丈夫だった,と言っていました。凄すぎる…
ただ,これは常人にはまねできそうもないですね。)
とはいえ,通常は予習・復習が「ゼロ」となると,単位の心配が出てくるように思います。
テスト前の勉強以外の予習・復習を全くしなくても単位は取れなくはありません。
ただ,「ゼロ」だと単位を落とすリスクが結構高くなると思いますので,ここの目安を参考にしてみてください。
以下で少し詳しく見ていきましょう。
講義形式の場合,ざっくりとこのような⬇感じで良いのではないかと思います。
- 復習を30分~1時間程度やるのが現実的に望ましい範囲。
- 復習は講義を聞いた後できるだけ早いうちにやるべき。
- これに加えて,試験前に2時間程度の復習(試験用の勉強)をする。
各回30分~1時間程度の復習をしておいて,テスト前に少しまとめて2時間程度の復習をする。
授業にしっかり出て話を聞いたうえでこれをやっておけば,単位は大体取れると思います。
ゼミなどの演習形式の授業の評価は多くの場合「平常点」評価ですから,試験用の勉強というものは必要ありません。
ただ,毎回のゼミのために準備が必要になります。
- 予習は,次のゼミの準備(発表,報告,その資料の作成)が終わるまで。
- 自分が報告する番かどうかなどによって変わるが,ざっくりと2時間程度の準備(予習)は必要になる。
場合によってもっと多くの時間をかけて準備しなければならないこともあります。
準備に時間はかかる反面,演習科目のほとんどは平常点科目で,しっかり取り組んだ分ちゃんと成績に反映されます。
しっかり準備していけば,単位の心配はほとんどないですね。
「平常点」や「出席点」についてはこちら⬇の記事も参考にしてみてください。
まとめ
以上,大学の授業での予習と復習について解説してきました。
この記事の内容をまとめておきましょう。
- 講義形式の場合
・予習より復習を重視する。
・各回の復習は30分~1時間が目安。 - 演習形式(ゼミなど)の場合
・予習(=報告の準備など)が必須。
・2時間程度の準備が必要。
講義では30分程度,ゼミなどの準備は毎回必ず終わるまで取り組むようにしましょう。
逆に言えば,これをやっておけば,いくつも単位を落とす心配も少なくなります。
それでは最後まで読んでいただいてありがとうございましたm(_ _)m
解説して欲しいことなどがあれば是非コメントをお願いいたしますm(_ _)m
その他適宜追加します。