奨学金を利用する予定はないんだけど,その場合には奨学金のチェックはしなくていいんだよね?🤔
奨学金はすべての大学生がチェックすべきだよ!
大学進学~卒業までの間に「奨学金」の利用を検討する人も多いですよね。
私も大学院生(博士課程)の3年間,奨学金制度を利用しました。
奨学金という言葉から連想するのは,授業料などの支払いが困難である場合など,主に「経済的な理由」で利用を検討するものだと思います。
でも,幸いにして経済的理由からの奨学金利用をしなくてもよいという学生であっても,奨学金制度の確認はした方がよいです。
この記事ではこの理由を解説していきます。
この記事の内容は,このように⬇なっています。
- 奨学金には「貸与型」と「給与型」がある。
- 奨学金の目的には「経済的理由からの困難への援助」と「成績優秀者への奨励」がある。
- 成績優秀者への奨励はほとんど全ての学生が対象になる(収入要件等がないことが多い)。
- 大学での勉強にしっかり取り組むモチベーションにもなる。
この記事は,実際に奨学金制度を利用した経験や反省と,現役大学教員として奨学金の対象の選考などを見てきた経験を基に書いています。
この記事を最後まで読んでもらえれば,「自分には関係ないかな」と思っている学生も奨学金をチェックすべき理由を知ることが出来ますし,大学での勉強へのモチベーションを高めることもできます。
5分もあれば読めると思いますので,ぜひ最後まで読んでみてください👍
1.奨学金の種類:「貸与型」と「給付型」
奨学金にも種類があるの?🤔
そうだね,分け方は1つじゃないんだけど,まずは「貸与型」と「給付型」で分けてみよう。
奨学金には「貸与型」と「給付型」があります。
言葉のとおりではありますが,
- 貸与型奨学金=返済が必要(さらに有利子と無利子に分けられます)
- 給付型奨学金=返済不要
です。
将来的な負担ということを考えれば「給付型」の方がありがたいのですが,みんなが「給付型」を利用できるかと言えば残念ながらそうではありません。
貸与型と給付型の特徴をまとめてみましょう。
貸与型 | 給付型 | |
---|---|---|
奨学金の仕組み | 返済が必要 =お金を「借りる」 | 返済不要 =お金を「もらえる」 |
メリット | ・利用要件の基準が(給付型に比べて)低い ・利用できる人数が多い | ・将来の金銭的負担がない |
デメリット | ・返済義務があり,将来の金銭的負担になる | ・利用要件の基準が(貸与型に比べて)高い ・利用できる人数が少ない |
給付奨学金の場合の場合,要は「お金をあげる」わけですから,それほど多くの学生への支給はできないということは想像通りですね。
2.奨学金の種類:「経済的理由への援助」と「成績優秀者への奨励」
貸与型と給付型以外の分け方もあるの?🤔
奨学金の「目的」からも分類することができるよ。
奨学金はその「目的」からも2つの種類に分けることができます。
決まった言葉があるわけではありませんが,「経済的理由からの困難への援助」と「成績優秀者への奨励」です。
それぞれの目的は,
- 経済的理由からの困難への援助=授業料の支払いなど,金銭的理由により就学や学業の継続が困難な学生への援助
- 成績優秀者への奨励=優秀な成績を収めている学生への「奨励金」,「報奨金」
です。
それぞれの特徴をまとめてみます。
経済的理由からの困難への援助 | 成績優秀者への奨励 | |
---|---|---|
メリット | ・利用要件の基準が低い ・利用できる人数が多い | ・収入に関する要件がない |
デメリット | ・収入に関する要件(世帯収入が一定以下など)がある | ・利用できる人数がとても少ない |
成績優秀者への奨励を目的とした奨学金は,大学で独自に設定されている奨学金(同窓会や寄付などを元手に設定される奨学金など)に多く見られるもので,成績が優秀な学生への「奨励」や「報奨」のような性格を持ちます。
給付型であること(私は給付型しか見たことがありません)に加えて,収入に関する要件もありません。
ただし,こうした成績優秀者への奨励を目的とした給付型の奨学金は,支給対象者がとても少なく,「若干名」(1~2名ほど)となっているものがほとんどです。
とても「狭き門」ではあるということです。
しかし,たとえば「30万円を一括支給」,「50万円を一括支給」であったりと,支給対象者となれば金銭的にも結構大きいものになります。
ちなみに,給付型の奨学金であるからと言って成績優秀者への奨励を目的としているわけではありません。
たとえば,多くの大学生・大学院生が利用する「日本学生支援機構」の奨学金にも給付型の奨学金がありますが,こちらには収入要件があるので経済的理由への援助が目的となっています。
ここでは大学で独自に設定している奨学金を念頭にお話をしましたが,民間の企業などが奨学金を設定している場合もあります。
私は,大学院(博士課程)の時に日本学生支援機構の貸与奨学金を借りていましたが,大変ありがたいことに,それとは別にある民間企業の給付型の奨学金を支給していただけました。
金額も大きかったので授業料や研究費等に利用できて,とても助かりました。
本当に感謝しています。
このように,民間の奨学金もあったりしますので,皆さんもチェックしてみてください(一般的には「学生部」の管轄でしょうか。)。
3.成績優秀者への奨励を目的とした奨学金は全員チェック
奨学金の種類を返済の必要の有無と目的とに分けて解説してきました。
ここでお伝えしたいのは,
経済的事情に関わらず,すべての学生は奨学金の確認をした方が良いよ。
ということです。
その理由としては,
- 成績優秀者への奨励を目的とした奨学金は全ての学生が対象になる。
- この奨学金の存在は,学生にはあまり知られていない。
一般的に「奨学金」というと,家庭の経済的事情により就学や学業の継続が困難な学生のための援助を目的としたものだと思われています。
もちろん,これは間違いではありませんが,この記事で解説してきたように,そうでない奨学金(=優秀な学生への奨励)もあります。
そして,実際に奨学金の対象者の選定などに関わった経験から,
申請していれば成績優秀者として給付型の奨学金がもらえたのに,申請していなかったために別の学生に支給することになった。
というパターンを毎年見てきました。
これはこれで,無駄になっているわけではなく次点の学生(=次に優秀な成績の学生)に支給されているわけですが,本来の趣旨からすれば,やはり一番優秀な成績の学生に給付されて欲しいと思います。
「お金のために」というと世間では批判されがちですが,そんなものは所詮妬み嫉みの混じった綺麗事に過ぎないと思います。
お金というのは1つの大きなモチベーションにもなります。
努力して良い成績を収めたならそれに対して報酬があってもいいですよね?
成績優秀者への奨励を目的とした奨学金の存在は,大学で良い成績を取ることのメリットの1つです。
(良い成績を取るメリットについては,後ほど別記事にまとめる予定です。)
金額もそれなりに大きいので(20万円,30万円,50万円など),勉強を頑張っている学生は特に,ぜひチェックしてみてください。
※ちなみに私が学部生時代にこのことを知った時にはすでに申請は手遅れでした…😨
まとめ
以上,すべての大学生は奨学金のチェックをするべき理由について解説してきました。
改めて記事の内容をまとめておきましょう。
- 奨学金には「貸与型」と「給与型」がある。
- 奨学金の目的には「経済的理由からの困難への援助」と「成績優秀者への奨励」がある。
- 優秀者への奨励はほとんどすべての学生が対象になる(収入要件等がないことが多い)。
- 大学での勉強にしっかり取り組むモチベーションにもなる。
奨学金制度は,大学進学では多くの学生に関係する身近な制度です。
しかし,成績優秀者への奨励を目的とした奨学金などはあまり知られていないというのが現状です。
対象となる年次が限定されていたりもしますから,早いうちに一度チェックしてみてくださいね。
貸与奨学金など,他の奨学金制度については別途記事を作成しようと思いますので,少々お待ちください。
また,何か解説して欲しい内容等があればコメント等いただけると幸いです。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m
適宜追加します。