どのゼミにしようか迷ってるんだけど,ゼミはどうやって選んだらいいの?🤔
ゼミに入る場合,希望するゼミを選ばなければいけません。
「このゼミ!」と決まっている学生もいれば,「よく分からないし,どうしよう…😥」という学生もいるでしょう。
この記事では,
- ゼミを選ぶ時に重視すべき4つのポイント
- ゼミを選ぶ時に気にしないほうがいい3つのポイント
を伝えていきます。
この記事はゼミに入る前提で,どこのゼミを選ぶべきかを考えるポイントについて解説しています。
ゼミの選択の前に,そもそもゼミに入るべきかどうかについては,こちら⬇️の記事をご覧ください。
この記事は実際に大学でゼミを担当している現役大学教員の立場から率直な意見を書いています。
この記事を読んでもらえれば,ゼミを選ぶ時にどういうポイントを見ればよいかが分かりますよ👍
もちろん,すべてのポイントを満たすゼミがあれば一番良いのですが,そうでない場合にはそれぞれに付けた「重要度」を参考にしてもらえるとよいです。
それと,特に4つ目のポイントはインターネットで調べたりしてもあまり聞くことがないポイントだと思いますので,ぜひ目を通してみて下さい。
10分かからずに読めますので,ぜひ最後まで読んでみて下さいm(_ _)m
1.関心がある分野を選ぶ(重要度:高い=Max!)
はい!何よりもまずこれです!
関心のある分野・ゼミを選びましょう!
結局これがすべてなんだよね!
当たり前のことですが,あえて書きました。
ふつう,人間は関心がないことに継続的に取り組むのは無理ですよね。
そんなものは苦痛でしかないです😅
高校までの「勉強」が苦痛だったという人も多いかもしれませんし,勉強自体は嫌いでなくても,全ての教科に関心を持てたという人は少ないでしょう。
義務教育などでは「やらない」という選択肢はなかったわけですが,ゼミは自分で選べます。
だったら,関心があるものを選ぶ以外ありえないですよね!
正直言って,関心がある分野(ゼミ)が無いんだけど…😥
う~ん,,,これはもうね,,,
本人以外の周りに出来ることはないんだよね。
正直言えば,これは残念ながらお手上げです。
私は,「特にやりたいことが決まってなくても大学進学しても全然かまわない」と思っています。
この点はいずれ別記事で詳しく書きます。
ただ,それでも,その中でも多少は関心がある学部を選んだはずですし,いくつかの講義を受けてそのすべての内容に全く関心を持たないというのはあり得ないと思うんですよ。
言い方が悪くて申し訳ないですが,それはもう「何も考えていない状態」に近いと思います。
すべてに関心を持つのは無理だし,特定の科目であれば相性や教員の努力不足もあるかもしれないけど,どれにも関心が持てないというなら,正直それは学生本人の問題だね。
こういう状態の場合,必修であれば仕方ないですが,そうでないなら「ゼミに入らない」という選択も考えるべきだと思います。
なぜなら,
本人にとってもツライだろうし,他の学生や教員にとっても迷惑になるから…😅
です。
本当にどんな小さなことでもいいので,「これは面白いかも」と思えるものが見つかるように,「アンテナを張って生活する」のが大事ですね。
ところで,そのゼミがどういう内容をやるかはどうやって知ればいいの?
これには4つの方法があります。
- ゼミのシラバスを見る。
- 教員に直接聞く(研究室訪問など)。
- オープンゼミを見に行く。
- 教員の専門科目の内容を見る。
オープンゼミは,ゼミの様子を公開しているものです。
内容だけでなく,ゼミの雰囲気なども分かりますね。
研究室訪問やオフィスアワーで直接教員に質問をすると,教員のキャラクターも分かってきます!
ちなみに,先輩(や友達)からの情報はアテにしないほうが安全です。
人から聞いた話はそれが正しいとは限らないですからね…
2.運営方法が自分に合っているゼミを選ぶ(重要度=中)
ゼミの運営方法(具体的にどういうゼミをやっているのか)はゼミによって全然違います。
たとえば,
- 教室でじっくり古典を読む。
- フィールドワークや現地調査などを行う。
であったり,
- 個人で取り組む。
- グループで取り組む。
などなど,運営方法は全く異なります。
その学生によって,運営方法の合う/合わない,がありますから,自分に合った運営方法となっているゼミを選ぶべきです。
実際に,私のゼミでもこれが原因で(グループでの共同作業が無理だとのことで)途中でリタイアしたゼミ生がいました。
念のため言っておくと,ゼミのシラバスにはグループ単位で取り組むことを明記してありました。
運営方法はどうやって知ればいいの?
これはもうオープンゼミだね。
ゼミによってはSNSで発信していることもあるけど,あまりアテにしないほうがいいと思うよ。
3.雰囲気が自分に合うゼミを選ぶ(重要度:中~低)
ゼミの雰囲気もゼミによって全然違います。
和気あいあいという雰囲気のゼミもあれば,ちょっと「ピリッ」としているゼミもあります。
このゼミの雰囲気にもやはり合う/合わないがあると思います。
ただ,これはちょっと複雑で,ゼミの雰囲気が決まってくるパターンとしては,
- 教員のキャラクターによるパターン(運営方法とも関係する)。
- 学生のキャラクターによるパターン。
の2つがあります。
教員のキャラクターによるパターンでは,その雰囲気が基本になります。
反対に,学生のキャラクターによるパターンだと,その年の学生によって全然違う雰囲気になったりします。
教員のキャラクターによるパターンで,そのゼミの雰囲気が自分に合う/合わないがある場合にはゼミを選ぶ材料としてOKです。
学生のキャラクターによるパターンはあまり気にしないほうがいいです。
どっちのパターンなのかはどうやって判断するの?
その教員の講義(ゼミなどの演習ではない)の様子を見たり,専門ゼミと基礎ゼミの様子を見比べてみたりするのがいいね。
同じように運営しているつもりでも,やはり学生のキャラクターによってゼミの雰囲気はかなり変わってきます。
同じ教員が担当していても,あるゼミでは和気あいあいという雰囲気だけど,他のゼミではシーンとしている,なんてこともよくあります。
ゼミの雰囲気はどうやって知ればいいの?
これもオープンゼミが一番いいと思うよ。
SNSがあれば多少参考になるかな🤔
4.ちゃんと研究をしている教員のゼミを選ぶ(重要度:中)
最後に教員で選ぶパターンを説明しておきましょう。
教員で選ぶというと,「教員のキャラクター」が思い浮かぶと思いますが,今回は少し違う点になります。
それは,その教員が「研究」をしているかどうか,です。
詳しくはいずれ別記事にしますが,大学教員は「研究者」ですから,1番の仕事は「研究」です。
そして,ゼミは「研究をする場所」,「研究の方法を学ぶ場所」です。
ですから,はっきり言ってしまえば,
研究をしてない教員から研究の方法を学ぼうとするのは,,,
学べないとは言わないけどやめたほうがいいよ。
となってしまいます。
研究って具体的にはどういうもの?
研究しているかどうかはどうやって知ればいいの?
まず,研究には色々なものが含まれますが,何よりも「研究=論文を書くこと」です。
研究しているかどうかの判断基準は,
論文(あるいは単著の専門書(=教科書ではない))を書いているかどうか
です。
そしてこれを知る方法は主に2つあります。
- researchmap(リサーチマップ)の情報を見る。
- 大学のホームページの教員紹介のページを見る。
「リサーチマップ」というのは,研究者の情報をまとめているウェブページです。
リサーチマップのページから「研究者を探す」で検索すればほとんどの教員の情報は出てきます。
これらを利用して,その教員が「コンスタントに論文を書いているか」を確認します。
注意点としては,新聞記事とか講演とかではなくて,論文(学術論文)を書いているかどうかです。
判断基準としては,
- 直近3年くらい論文を書いていない場合,ちょっと怪しい。
- 直近5年書いていなければその教員は研究者としてもうダメ。
です。
もちろん,分野によって違いがあったり,学内外の業務に巻き込まれて忙しいといった事情もあり得るので一概には言えないのですが,やはり,論文を5年書いていない人はダメだと思った方がいいです。
もうひとつ,その教員が「博士号」を持っているかどうかもポイントです。
昔は博士号を持っている人はあまりいませんでしたが,今は「持っているのが普通」です。
20代の若い教員の場合には,「これから取得します」のパターンもありますが,30代以上で博士号を持っていない教員は基本的に「話にならない」と思ってくれてよいです。
(博士号についてはどこかで記事にしようと思っています。)
せっかく研究の方法を学ぶわけですから,ちゃんと研究している教員から学ぶ方が絶対にいいです。
5.気にするだけ無駄なこと
最後に,ゼミを選ぶときに気にしなくていいこと,気にしないほうがいいことを3つ伝えておきます。
5-1.ゼミの人気,倍率は気にしない
1つ目は「人気があるゼミかどうか」です。
人気が無いゼミは嫌だ。
人気があるゼミは倍率が高くて落ちると嫌だからやめておこう。
こんな風に思うことがあるかもしれませんが,自分の関心のあることを優先すべきです。
もし残念ながらそのゼミに入れなくても,2次募集,3次募集なんかもありますから,ゼミに入れないということはほとんどないでしょう。
ついでに言うと,ゼミの選考で落ちてしまっても全然気にする必要はありません。
教員は学生に関する情報をほとんど持っていないから,ほんの一面しか見れていないんだよね。
これが実態です。
5-2.友達と同じゼミ,は意味がない
どこのゼミ受ける?
同じところ受けようよ。
こんな会話を耳にすることも多いですが,これは全く無意味です。
なぜなら,
- 自分の関心を無理やり抑え込んで友達に合わせても良いことはない。
- そもそも,その友達とずっと付き合っていくわけでもない。
- 友達がいないといけない,なんていうのはくだらない思い込み。
です。
大学を卒業しても付き合いが続く人は多くはないですし,「一時的な」人間関係は気にするだけ無駄です(笑)
5-3.就職のしやすさに差はほとんどない
就職に有利なゼミってあるの?
正直関係ないよ。
結局その学生が何をやったか,どういう力を修得したかが大事だから。
資格試験の勉強をするゼミとか,専門分野の違いで若干の差があるように見えることもありますが,実際はほとんど関係ないので気にする必要はありません。
まとめ
この記事では,ゼミの選び方について解説してきました。
簡単にまとめるとこのように⬇️なります。
- 関心のある分野のゼミを選ぶ(重要度:高)
- 運営方法の合うゼミを選ぶ(重要度:中)
- 雰囲気の合うゼミを選ぶ(重要度:低~中)
- ちゃんと論文を書いている教員のゼミを選ぶ(重要度:中)
- 人気,倍率,友達と一緒,就職のしやすさ,などは気にせずに選ぶ
ゼミは大学で数少ない少人数・演習系の科目ですし,大学で一番大事な「研究」を学ぶ場ですから,ぜひしっかりと選んで欲しいと思います。
この記事が参考になれば嬉しいです。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m
その他,適宜追加していきます。