大学では必修じゃない場合にもゼミには入ったほうがいいの?
それとも入らなくていいの?
「ゼミに入るか入らないか」,「どのゼミに入るか」,これは多くの大学生が一度は考える問題ですよね。
この記事では,「ゼミに入るべきかどうか?」について,大学教員の立場から率直な意見を伝えていきたいと思います。
内容としては,
- ゼミに入るメリットとデメリットとは?
- ゼミに入るべきか?
です。
※この記事は文系学部,特に私が所属する経済学部を想定しています。
理系の「研究室」などでは事情が異なるかもしれません。
※また,ゼミに入る/入らないの選択肢がある(=必修ではない)場合を想定しています。
この記事は,実際にゼミの運営,ゼミ選考などをしている現役大学教員の立場から書いています。
この記事を読んでもらえれば,ゼミに入るべきかどうかを自分でしっかり判断できるようになります。
5分程度で読めるので,ぜひ最後まで読んでみて下さい😄
ちなみに,ゼミの選び方についてはこちら⬇の記事にまとめてありますのでよかったら読んでみてください。
1.ゼミとは?
そもそもゼミってどんなものなの?
何となくのイメージは分かるんだけど🤔
「ゼミ」は「ゼミナール」(Seminar)のドイツ語読みの省略形で,内容としては「演習」を意味します。
このブログのタイトルも「ゼミ」を使っていますね(笑)
おそらく多くの人のイメージと近いと思いますが,ざっくり言えば,少人数で行われる演習形式の授業,という感じでしょうか。
大学生に関係する「ゼミ」としては,主に2つのパターンがあります。
- 専門ゼミ(2年生以上)
- 基礎ゼミ,プレゼミ(1年生)
一般的に「ゼミ」というと,「専門ゼミ」のことを指します。
それぞれの専門分野の内容に関連して,学生が「研究」を行うのが専門ゼミです。
フィールドワークを行ったり,古典を読んだり,ゼミ論文を書いたり,卒業論文を書いたり,といった感じです。
これとは別に,1年次に「基礎ゼミナール」あるいは「プレゼミナール」が設定されている大学も多いです。
大学で「初年次教育」を充実させようという考え方が一般的になってきていますが,この記事は「専門ゼミ」について書いたものです。
大学の授業は大まかに「講義」と「演習」に区別できます。
それぞれの特長はこのような⬇️感じです。
講義 | ゼミ(演習形式) | |
---|---|---|
人数 | 大人数 (300人以上なども) | 少人数 (20人以下など) |
授業形式 | 一方通行が多い | 双方向,学生主体 |
主な目的 | 知識や手法の修得 インプット型 | 知識の活用,思考 アウトプット型 |
成績評価 | 試験,レポートが多い | 平常点評価が多い |
授業期間 | 半期が多い | 通年が多い |
ゼミは少人数で行われる,学生主体の双方向型の授業といったところです。
2.ゼミに入るメリット
ゼミに入るべきかどうか,ゼミに入るメリットとデメリットを知らなければ判断ができません。
ということで,まずはゼミに入るメリットを紹介するね。
- ゼミは,大学ではあまり多くない少人数・演習形式の授業である。
- ゼミはアウトプット型で,「問題解決力」や「考える力」を鍛えられる。
- 就活の際にコメントできる。
順番に説明していきます。
大学の授業は「講義」と「演習」に分けられると書きましたが,どちらかと言えばやはり「講義」のほうが多いです。
私立文系などの人数が多い学部では,1つの授業(講義)の履修者が300人を超えているなんてこともよくあります。
そうすると,少人数で学生同士が議論したり,教員と直接近い距離でやり取りできる授業は多くありません。
要するに,ゼミは比較的「レア」な授業だと言えるでしょう(笑)
ちなみに,講義と比べれば友達も作りやすいかもしれません。
(友達を作らなければいけないなんてことは全くありませんが,多くの学生にとっては大事かもしれません。)
大学で身につけるべきことで特に大事な力は,「自分の頭で論理的に考えて判断できるようになること」です。
(詳しくは別記事で書きますので少々お待ちくださいm(_ _)m)
そしてこの力は,講義などのインプット型の授業ではなかなか成長しません。
ゼミはこうした力を付けるために役立つものなんです。
就職活動の際には,「大学でどんなことに取り組んだか」,「大学でどんなことを勉強したか」について聞かれます。
こういう質問に答えるには,「ゼミでの取組み」はピッタリです。
自分で取り組んだことですから,スムーズに答えることができるはずです。
3.ゼミに入るデメリット
じゃあ,ゼミに入るデメリットにはどんなものがあるの?
ザッと思いつくものだと,こんな感じ⬇️かな🤔
- ゼミの時間以外での準備,作業などの時間的な負担が重め。
- グループ単位での共同作業も多く,苦手な人には辛い。
- 希望するゼミに入れるとは限らない(選考がある)。
- 継続履修が基本で,「ゼミの変更」や「ゼミを辞める」のが面倒。
一番大きいのは①でしょう。
ゼミの内容が具体的にどのようなものであるかは教員によってバラバラですが,学生が資料を作成してきて報告するというパターンも多いです。
報告資料を作ったりする準備はゼミの時間外にやらないといけないので,この時間的な負担が結構重いですね。
その他のデメリットは読んでのとおりです。
4.ゼミに入るべきか
メリットとデメリットは分かったよ!
それで,答えとしてはゼミに入るべきなの?
まず前提として,ゼミが必修かどうかは大学や学部によって違います。
必修の場合には選択の余地はありませんね…(笑)
ゼミが必修でない場合,
ゼミに「入らない積極的な理由がないかぎり」は入ったほうがいいよ!
というのが私なりの結論です。
理由は単純で,メリットの方がデメリットよりもずっと大きいからです。
特に,大学で一番大事な「分からないことや課題に対して論理的に考えて自分なりの答えを出せるようになること」の訓練になるのが大きいです。
インプット型ばかりでは「頭でっかち」になってしまいます。
ところで,さっき言っていた「ゼミに入らない積極的な理由」ってどういうこと?
分かりやすく言えば,
「ゼミより優先しないといけないことがあるならゼミに入らないこともアリ」
っていうことだね。
たとえば私の先輩(現在は大学教員)は,
公認会計士の勉強してたから,ゼミをやってる時間はなかった。
と言っていました。
その先輩は学部生の間に公認会計士試験に合格していました。
他にはたとえば,「学生のうちに起業してビジネスをやっていて,ゼミの時間が取れない」などもあるでしょうか。
とにかく,「ゼミよりこっちが優先!」と言えるものが無い場合なら,ゼミに入ったほうがいいというのが私の意見です。
ですから,たとえば「めんどくさい」とか「大変そうだから」とか,そういう「消極的理由」で入らないのはおすすめしない,ということです。
ただし,正直なことを言わせてもらえれば,
やる気がないなら入らないで欲しいよね。
こっち(教員)も面倒見たくないし…
大学生は大人なんだし,本人が決めたことならそれでいいでしょ。
と思います。
大学生は立派な大人ですからね。
まとめ
以上,大学でゼミに入るべきかどうかについて解説してきました。
簡単にまとめておきましょう。
- ゼミは大学で身につけるべき力を付けるうえで大切。
- 予習,復習,授業の準備は重めになるなどの負担もある。
- ゼミに入らない積極的理由がないならば,デメリットよりメリットが大きいのでゼミに入ったほうがいい。
以上です。
私は学生時代,ゼミは必修ではありませんでした。
とはいえ,私はゼミに入りましたし,そのまま4年生まで継続して履修しました。
そうした経験からも,個人的にはゼミに入るべきだと思っています。
最後まで読んでいただいてありがとうございましたm(_ _)m
その他,適宜追加していきます。